「善悪の屑」と「外道の歌」は渡邊ダイスケの作品です。
ヤングキングで2014年から2016年まで「善悪の屑」として5巻まで連載がされた後、タイトルを「外道の歌」に変更して2023年まで連載されて全15巻で完結しています。
妻と娘を殺された主人公の鴨ノ目武が相棒のトラと一緒に復讐代行業を行っていきます。
同業者の「朝食会」や殺人鬼の園田など、外道でクズばかりがたくさん登場する作品です。
残虐なシーンも多いですが、スカッとして爽快感もある面白いストーリーです。
書店も電子書籍も超話題の売れ筋コミック「善悪の屑」の第2部! 法で裁けない屑には屑による直接制裁を! 復讐代行人の一人「カモ」の過去が遂に明らかに!? 残酷でも読み終えた後にスッキリする本当の「正義」の意味を問う問題作!
引用元:ebookjapan
「善悪の屑・外道の歌」はどんな作品?
復讐代行業を行う主人公の鴨ノ目武が犯罪被害者の依頼を受けて、法で裁かれていない悪人たちを殺害していく作品です。
光市母子殺害事件、尼崎事件、女子高生コンクリート詰め殺人事件、スーパーフリー事件などをモチーフにした事件の犯人たちはとにかくクズばっかり。
凶悪な犯罪者たちがカモたちから拷問されて懲らしめられる爽快なストーリー展開です。
カモたちの同業者の「朝食会」や殺人鬼の園田や今野などの超個性的でサイコパスなキャラクターも魅力的です。
グロ描写が苦手な人はダメかも知れませんが、善悪の屑5巻&外道の歌15巻で完結していますので是非読んで見て下さい。
「善悪の屑・外道の歌」のあらすじ
カモメ古書店を営む鴨ノ目武(カモ)。
カモは書店を営む傍らで復讐代行業を行っていました。
ある日、カモメ古書店に女性が訪ねて来ます。
女性はシングルマザーとして子供を育てていました7年前、宅配業者を装って自宅に侵入してきた男に強姦されて子供を窓から落とされて殺されてしまった過去がありました。
逮捕された犯人が未成年であったため、犯人は数年服役しただけで出所をしていました。
子どもを殺した犯人がたった数年で出所してのうのうと生きていることが許せなかった女はカモに犯人への復讐を依頼しました。
同居人の島田虎信(トラ)と一緒に男を暴行して拉致したカモ。
カモは男を目隠しをして拘束し、男の金玉を切り取って食べさせた後、橋から吊るして殺しました。
その後、カモメ書店には同級生たちの前で強制的にオナニーをさせたり…酷いイジメにより孫が自殺に追い込まれた祖母の依頼や、騙されて監禁をされ、男たちから何日も強姦され続けたあげく殴り殺された妹の無念を晴らしたい姉、サッカーボール代わりに蹴り殺されたウサギの復讐を依頼しにきた小学生の女児など…。
カモとトラは被害者の無念を晴らすために復讐を続けていきます。
登場人物
鴨ノ目 武(かものめたけし)
カモメ古書店の店主。通称カモ。
自宅に押し掛けてきた犯罪者に妻と子供を殺された過去があり、自分と同じような被害者のためにカモメ書店を営む傍ら、復讐代行の仕事をしている。
悪人には容赦が無く、特に子どもに危害を加えた無慈悲だが、依頼人である被害者には人情味があって寄り添う優しい一面も持っている。
島田 虎信(しまだとらのぶ)
元地下格闘技場のチャンピオン。通称トラ。
ケンカばかりで手に負えない生き方をしていたが、地下格闘技の試合で負けて骨折をして入院中に母親がひったくりに遭って殺害をされてしまう。
犯人がたった懲役7年の罪であったことに納得が出来ず、世の中のクズをぶっ殺すと決めて鴨ノ目武と一緒に復讐代行の仕事をしながら犯人の出所を待っている。
開成 奈々子(かいせいななこ)
ゲームが大好きでショートスリーパーの20歳引きこもり。通称ナナ。
引きこもり中、偶然自宅に遊びに来ていた従妹と両親が殺されてしまい、鴨ノ目武に復讐を依頼する。
SNSを使って犯人の園田を誘い出したことをきっかけにカモメ古書店に居候を始める。
園田 夢二(そのだゆめじ)
通称、練馬区の殺人鬼。ペットの蛙の名前は磯次郎。
ゴアゴア編集部で編集者をしている。祖母の死をきっかけに人の死に興味を持ち、高校生のときに初めての殺人を犯す。
大学時代は漫研に所属していて、自分が死んだ後も読み続けられるリアルで面白いマンガを書く夢があり、作品作りのための取材と称して殺人と死体写生を続けている。
何事も経験することが大切と考えていて、どんな気持ちか知るため、ナナの家族たちを殺した後にカップ麺を食べながら自慰をするイカれたシリアルキラー。
ジェイク・堀尾(じぇいくほりお)
外人のふりをして日本人の女をナンパするナンパセミナー「スーパーピース」の主催者。
会員を使って女性たちをナンパしてレイプを繰り返していたが、カモたちに拉致されて切り落とされたペニスをケツの穴に突っ込まれたまま全裸で路上に放置される。
その後、前立腺マッサージを極め、懲りずにセミナーを再開してレイプなどの犯罪を続けていたところを再びカモとトラに拉致をされてしまう。好きな飲み物は「スーパーハメハメサワー」。
叔父
カモの叔父。
スキンヘッドで見た目は完全なヤクザの刑事。
カモが妻子を殺害された後、復讐代行をやっていることに感づいている。
カモの気持ちを知っていて、現在の仕事を続けるカモの事を心配している。
榎 加世子(えのきかよこ)
国内有数の家電メーカー「ENOKI」の会長の孫。
17年前の幼少期に鶴巻裕の父親から監禁をされて性的虐待を受けた経験を持っている。
犯罪被害者の復讐を支援する組織「朝食会」の東京支部bの支部長。
被害者からの依頼内容が被ったことからカモたちとバッティングする。
依頼者に代わって復讐を行うカモとは異なり、被害者側に立った復讐プランを用意して被害者自身の手で復讐をさせることを方針としている。
鶴巻 裕(つるまきゆう)
榎加世子の相棒。シャツをズボンに入れていてメイド喫茶が好きなオタクの風貌。
父親が起こした事件により性犯罪者の息子というレッテルを張られ、以後は生活社会からドロップアウトしていたが、榎加世子の手によってアメリカ国籍を取得して米軍のレンジャー部隊に所属する。
帰国した後は父親に監禁されていた加世子を助けられなかった後悔や贖罪のため、加世子のボディーガードとして働く。トラと殴り合いで勝つほどの武闘派。
今野 智夏(こんのちか)
左右の目の色が違う虹彩異色症(ヘテロクロミア)の女性。
大学時代の園田と同じ漫研に所属。漫研時代に自分に付きまとっていたオタ研会長の志茂田を殺害する。
初めての殺人を童貞卒業と称し、11歳で童貞卒業した後、硫酸などの薬品を使って年に一人ペースで殺人を続けているサイコパスなシリアルキラー。
榊 ヨシ江(さかきよしえ)
走行中の自転車にワザとぶつかって加害者の弱みに付け込み、加害者の家族を乗っ取っていた。
被害者の依頼を受けたカモたちから拉致をされ、ケツの穴に避雷針を突っ込まれたまま重機で吊るされて一晩中落雷に撃たれ続けて死亡する。養子縁組をした5人の子供たちがいる。
榊 奈緒子(さかきなおこ)
榊ヨシ江の養子の39歳。他の養子たちと犯罪を行っていて、役割は犯罪の企画・立案・洗脳・拷問担当。左腕にトイレットペーパーがげろ吐いている入れ墨を入れている。
連絡が取れなくなった榊ヨシ江を探す中でカモたちの存在を知る。
ヨシ江を殺した犯人を探っている途中、カモのことを知っている小学生の女児を見つけるが、女児が喋らなかったため女児宅の乗っ取りを計画する。
榊 華代(さかきはなよ)
榊の養子の一人。元女子プロレスラー。26歳。拉致・監禁・暴力担当。
他の養子たちとともに女児の家を乗っ取る。
榊 葉介(さかきようすけ)
榊の養子の一人。元引きこもりの19歳。
役割は情報収集。機械系担当。
他の養子たちとともに女児の家に居候をして、女児宅のpcにマルウェアを仕込んでカモたちの事を追跡しようとする。女児を助けようとする優しい一面も持っている。
榊 久文(さかきひさふみ)
榊の養子の一人。47歳の元会社役員。
役割は犯罪の企画・立案と尻拭いを担当している。
弁護士のふりをして榊哲とともに女児の父親の弱みに付け込んで家庭を乗っ取ろうとする。
榊 哲(さかきてつ)
榊の養子の一人。33歳の元詐欺師。
役割は詐欺・脅迫を担当。カモたちを知っている女児の家に侵入するため、女児の父親が乗った自転車にワザとぶつかり、父親の取引先関係者を装って弱みに付け込んでいく。
関口 清(せきぐちきよし)
本名は粕谷九頭夫(かすたにくずお)。
「朝食会」の神奈川支部支部長。財閥系企業会長の三男の27歳。
警察が介入出来ないセレブ専用のタワマンに住んでいて、女を連れ込んで殺害をしている快楽殺人者のサイコパス。殺害対象適している女性の情報収集や死体処理方法のノウハウを得るために「朝食会」を利用している。
お気に入りの榎加世子を薬で眠らせて拉致をしようとする。
桜内 淳(さくらうちあつし)
カモの友人。指定暴力団・我嶺組の若頭をしている。國松の下についている。
過去に違法薬物で逮捕された経験があり、カモの妻子が殺害された際は服役中だったためカモのそばに居れなかったことを後悔している。
國松(くにまつ)
刑務所に服役していたが、出所後、社会的弱者から搾取している反社会的勢力のを興劉会を一掃するために幹部を暗殺したり、国産薬物を市場に出回らせようとする。
金儲けに長けている。人の心理を操るのが得意て過去にカルト的な集団を作ったりしていた。本名は厚木孝臣。
通称、同一人格者の殺人鬼。
五月女 潤(そうとめじゅん)
半グレ集団「世名汚死」のメンバー。28歳。
刑務所を出所した後、蛍田と富水とともに行動する。父親の借金を背負いながら病気の母親の介護をしている。蛍田と富水のやり方が間違っていると思っている。
蛍田 茂之(ほたるだしげゆき)
半グレ集団「世名汚死」のメンバー。
桜内の指示を受けて國松のために働く。
世直しと称して、スマホを見ながら自転車を運転していた女にドロップキックをして路上でレイプをする。レイプ動画をSNSで拡散して自殺に追い込んだ鬼畜。
富水 康太(とみずこうた)
半グレ集団「世名汚死」のメンバー。
蛍田とともに世直しと称して迷惑をかけている人間へ異常な制裁を加える。異常な信念で行動をしていて金に対する執着は無い。家庭が大変な五月女を気遣う友人思いの一面も持っている。
「善悪の屑・外道の歌」の面白さ
善悪の屑は凶悪犯罪をモチーフにしていて、子供を殺された親の心情等の悲しいシーンも多く、犯罪者への拷問場面などの残酷な描写も多いですが、それを補って余りある爽快感がある展開です。
タイトルが外道の歌になった後は、カモとトラの復讐代行の同業者である「朝食会」が登場したり、園田や國松など強烈な個性を持ったサイコパスたちやぶっとんだキャラクターたちが登場します。登場人物にほとんどまともな人間がいなくてクズばっかり…。
カモとトラがクズたちを成敗していったときの爽快感。朝食会やサイコパスたちが絡み合っていく展開がとにかく面白いです。裏社会やアングラ系の作品が好きな人には絶対おススメ。是非読んで見て下さい。
作者の他の作品
朝食会
カモとトラとは異なったポリシーで被害者たちの復讐を支援する組織「朝食会」の東京支部支部長・榎加世子。8歳の時に拉致監禁され性的暴行を受けた彼女は何故「朝食会」に入ったのか…過去が明らかになる「善悪の屑」「外道の歌」シリーズのスピンオフ!
引用元:ebookjapan
園田の歌
園田夢二・今野智夏。二人の殺人鬼の大学時代を描いた外道の歌のスピンオフ作品。
殺人鬼同士のやりとりが面白いのでおススメです!
様々な依頼に応え次々と報復を代行するカモとトラだが、彼らが唯一逃し、そして奈々子の家族を殺した殺人鬼「園田」。彼の視点での過去が俊英作家によって描かれる大ヒットコミック「外道の歌」のスピンオフ!
引用元:ebookjapan