「子供を殺してください」という親たちは押川剛(原作)、鈴木マサカズ(作画)による作品です。
月刊コミックバンチで2017年4月から連載を開始し、現在も連載中です。
2022年2月時点で10巻まで発行されています。
家族や周囲の教育圧力に潰れたエリートの息子、酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いし、ゴミに埋もれて生活する娘…。現代社会の裏側に潜む家族の闇と病理を抉り、その先に光を当てる――!! 様々なメディアで取り上げられた押川剛氏の衝撃のノンフィクションを鬼才・鈴木マサカズ氏の力で完全漫画化!
引用元:ebookjapan
「子供を殺してください」という親たちのあらすじ
統合失調症などの精神疾患やひきこもり。ギャンブル・インターネットへの依存症、DV・性犯罪などを起こす子供たち。そのような精神科医療とのつながりを必要としながら適切な対応がとられていない子供たち。
押川はそういった子供たちを持つ親からの依頼で、対象者を説得して医療につなげるため、トキワ精神保健事務所の所長をしていました。
ある日、押川は精神疾患をもった子供の両親の依頼により、対象者を確認していました。
対象者の荒井慎介(21歳)は自宅の庭で大声を出しながら全裸でバットを振っていました。
慎介は弁護士の両親の下、エリート家庭で育ち、両親の過度な期待を背負って大学受験をしますが、第一志望の法学部への入学は出来ませんでした。
法学部以外の学部へ入学した慎介でしたが、そのころから慎介に異変が起こり、慎介は統合失調症を発症してしまいます。
両親は慎介を心療内科に受診をさせ、薬を飲み続けていましたが、慎介は、突然歌手になると言い出して髪を金髪にしたり、サンドバッグを購入して殴りはじめたりと、慎介の症状は不安点で言動も日増しにおかしくなり、凶暴になっていきました。
ついに、慎介は自宅で飼っていた猫をバットで殴って殺してしまい、恐怖で限界を感じた家族は押川に助けを求めたのでした。
押川が慎介の行動を数日間観察した後の移送当日、押川は慎介の部屋に入ることになります。
慎介は自室に入ってきた押川に対して、パンツ一枚の姿で大声で騒ぎ出しますが、押川は構わずに慎介に話しかけ続けます。
押川から病院へ行くように促されて説得をされた慎介は、ようやく押川の説得に応じて病院に行き、そのまま病院に入院をすることになります。
慎介が入院をした3か月後、押川は慎介の様子を見て、慎介の退院はまだ早いと考えていましたが、医師は退院が可能と判断をしてしまいます。
慎介が退院して自宅に戻ってくることに恐怖をした両親は、押川に泣きつき、何とかして欲しいと、引き続き押川に対応を求めてきました。
押川は慎介の退院に合わせて一軒家を借り上げ、慎介や慎介と似た境遇にある若者たちを一緒に生活をさせ、若者たちに対して、全員が共同生活をしながら社会復帰を目指すように言います。
慎介が共同生活をはじめてから一か月後、慎介は一軒家から脱走をして家族が住む自宅に戻ってしまいます。
歩き続けて自宅前にたどり着いた慎介でしたが、自宅には明かりは無く、誰も住んでいませんでした。
自宅前で慎介を見つけた押川は、慎介に対して、慎介の家族たちは慎介と一緒に住むことは出来ないと言ってすでに引っ越しをしたことを伝えます。
その後、慎介は一軒家からの失踪を繰り返しながら、何とかアルバイトを続けていましたが、アルバイト先で度重なる暴力事件を起こしてしまい、警察に逮捕をされ、実刑を受けることになります。
慎介には精神障害があったため、そのまま医療刑務所に移送がされて、刑務所を出所した後は精神科病棟へ入院をすることになります。
精神科病棟に入院をした後も日増しに妄想が酷くなっていく慎介。慎介はそのまま病院に入院をして病気とともに生きていくことになります。
押川のもとへ「子供を殺して欲しい」と相談にくる親たち。
押川は、そんな親たちに対して、子供たちがおかしくなっている原因は親たちが子供にきちんと愛情をかけず、人間味の無い育て方をしたことが原因であり、子供たちが発する叫び声はそんな親たちに対する復讐であると考えていました。
押川はそのような子供たちを、何とか医療に繋げることが自分の使命と信じて、今日もトキワ精神保健事務所の業務を続けていくことになります…。
作品の特徴・面白さ
押川剛が創業をしたトキワ精神保健事務所の業務を題材とした作品です。
トキワ精神保健事務所では、親の依頼のもと、精神疾患などで親が手に負えなくなった子供を説得して医療に繋げることを業務としています。
この作品では統合失調症、ひきこもりやアルコール中毒などのいろいろな問題を抱えた壮絶な家族の内容が描かれています。
8050問題などの社会問題を取り上げた作品です。
軽々しく面白いとは言えない題材ですが、是非読んで見て下さい。
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麻薬捜査官の草壁が薬物依存者を取り締まっていく作品。
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