「望郷太郎」は山田芳裕による作品です。
週刊モーニングで2019年から連載が開始されて現在も連載中です。2022年5月現在で6巻まで発行されています。
大寒波襲来、壊滅的打撃、世界初期化。人工冬眠から500年ぶりに目覚めた舞鶴太郎(まいづるたろう)は、愛する家族も財産も全て失った。絶望の淵から這い上がり、理想の暮らしと生きがいを求めて、祖国「日本」を目指す。ヒトのと文明の歴史をさかのぼるグレートジャーニー。人類よ、これが未来だ。
引用元:ebookjapan
「望郷太郎」はどんな作品?
大寒波の襲来によって人類のほとんどが滅亡した世界で冬眠装置により寒波から生き延びた舞鶴太郎でしたが、冬眠装置の不具合により500年間冬眠をしてしまい、文明が滅びた世界で故郷の日本を目指す作品です。
「望郷太郎」のあらすじ
世界中を襲う寒波により世界中で数億人もの人々が亡くなっていました。暖かい場所に逃げることが出来なかった舞鶴通商のイラク支社長である舞鶴太郎。
太郎は妻の美佐子と長男の光太郎とともに舞鶴通商の社屋内のシェルターに入り、極秘に作っていた冬眠装置を使って大寒波から生き延びようとしました。
妻子とともに冬眠をした太郎。冬眠から覚めた太郎は管理室へ連絡をしましたが電話は繋がりませんでした。数か月の冬眠をする予定であった太郎でしたが、日付を確認すると五百年も経過していることを知ります。
太郎が一緒に冬眠をした妻と子を確認すると、数百年前に冬眠装置の電気が止まっていて二人ともミイラになって死んでいました。
太郎は妻と長男が死亡して自分一人だけが生き残ったことに悲観しますが、当時中学生で受験のために太郎の親に預けていた長女の事を思い出します。500年も経っているため長女が死んでいるのは分かっていましたが、大寒波の後に自分の親が長女がどうなったのか知るため、太郎は日本に向かうことを決めます。
建物に差し込む外の光を感じた太郎。太郎が建物から外に出てみると外は雪が降り積もる廃墟になっていました。熱帯地域であるインドに雪が降り、世界の文明が死滅していました。
太郎は人間がいない世界をさ迷いますが、食料が底をつき、寒さで倒れてしまいます。
意識を失った太郎は通りがかったパルとミトに助けられて3人で行動をすることになります。
「望郷太郎」の特徴・面白さ
大寒波に襲われて人類が死滅した世紀末の舞台となります。
寒波を乗り越えた人類は狩猟などの原始的な生活をして生きていました。シェルターから出たばかりの舞鶴太郎は死にそうになりながらも生存者と出会います。
文明が無い世界で人々は物々交換を行っていましたが、大国であるマリュウは鉱石(マー)を貨幣として扱っていきます。
貨幣の出現により貧富の差が拡大していく中、小さな村はマリョウから高い税金を求められて苦しめられていました。
舞鶴通商の元支社長として貨幣の強さも弱さも知っていた太郎は大国マリョウと戦っていきます。
登場人物の表情などの描き方に特徴があり、非常に感情移入がしやすく面白い作品です。